むちうちの種類と症状
1 むちうちとは
むちうちとは,交通事故の追突等の衝撃により,首の部分に無理な力が加わり,通常の運動範囲以上の動きをすることで,筋肉・靭帯等を損傷した状態のことをいいます。
むちうちとは,医学的に正式な病名ではなく,医者の診断を受ければ,外傷性警部症候群あるいは頚椎捻挫等の病名がつくことになります。
むちうちになってしまった場合,整形外科・整骨院での治療やリハビリを行う必要があります。
交通事故にあった場合,事故時には何の問題もなかったが実はむちうちだったということがあります。
興奮状態でむちうちであったことに気づかなかったり,他の部位の痛みのほうがひどく,首がむちうち状態であることに気づかないということもあります。
むちうちによって,後遺障害等級が認定される場合,後遺障害等級14級~12級がありえます。
2 むちうちの種類
むちうちの種類としては,大きく分けて,①頚椎捻挫,②バレー・ルー症候群型,③神経根症状型,④脊髄症状型に分けられます。
- ⑴ 頚椎捻挫型
-
頚椎捻挫とは,簡単にいえば,首の捻挫です。首に衝撃が加わり,首の筋肉・靭帯が無理に伸ばされ,傷つくことによって生じます。
主な症状は,首・肩・背中のこりや痛みが生じたり,首周辺の可動域が狭くなったりします。
- ⑵ バレー・ルー症候群型
-
バレー・ルー症候群型は,首に衝撃が加わることにより,頚椎に沿って存在している自律神経が傷ついてしまった場合です。主な症状として,自律神経が傷付くことによる頭痛・めまい・耳鳴り・息苦しさ等が生じます。
- ⑶ 神経根症状型
-
神経根症状型は,首に衝撃が加わることにより,頚椎に歪みが生じ脊髄に近い部分にある神経根という太い神経を圧迫することにより生じます。主な症状は,神経の圧迫を原因とする特定部位のしびれ,力が入りにくいといったものがあります。
- ⑷ 脊髄症状型
-
脊髄症状型は,首に衝撃が加わることにより,神経だけでなく脊髄に傷付くことにより生じます。いわゆる脊髄損傷です。症状としては,手足の麻痺が生じることがあります。